こんにちは、ダイスケです。
今回は、日本を代表する世界企業「トヨタ」が製造現場で使っている生産方式についてまとめた1冊を紹介していきたいと思います。
筆者の大野さんはトヨタ自動車工業の副社長に就任し、トヨタ生産方法を体系化した方です。
今、出版される「トヨタ式」の本の源流になる1冊です。
1978年に出版されているので、現代とは多少の違いはあれど、生産現場に今でも使うことのできるエッセンスが書かれています。
それでは、いってみましょう!
本の概要
この本は、徹頭徹尾「自働化」と「ジャスト・イン・タイム」に焦点を当てた本です。
「それ以外に効率的な生産方法はない」と言わんばかりに、徹底した信念を貫いています。
このトヨタ生産方式が生まれたきっかけは敗戦にありました。
当時のトヨタの社長から「3年でアメリカに追いつかなければ、日本の自動車産業は成り立たなくなる。」と言われ、アメリカに学び日本流の新たな生産方式が必要になったのです。
その後、オイルショックをきっかけとした低成長期に入り、各社が苦しくなっていく中でトヨタだけが大きく成長していきます。
それをきっかけに、世界からトヨタ生産方式が注目を集め始めます。
トヨタ生産方式の出発点は、アメリカ人が10倍の体力を使っていないのに、生産性が10倍あるのは、日本人が10倍のムダをしているのではないかと疑問を持ったところからです。
そこで、思いついたのが
自働化
ジャスト・イン・タイム
の2本柱です。
この2本柱を実行させるために、「徹底したムダの排除」を紹介しています。
ジャスト・イン・タイムについては、超有名なのでご存知の方もいらっしゃると思います。
この2本柱について、それぞれどのような方法を用いているのかを紹介していきたいと思います。
「自働化」
自働化とは、機械に不良品を発見させる装置を取り付けたりして、機械自身が判断できるようにしたものです。
「バカヨケ」や「自動停止装置付きの機械」といったものを導入し、機械自身に判断するようにしました。
今では当たり前になってきましたが、当時は検品者が部品の完成に伴い、検品作業をしていました。
機械1台に1人ついている状態です。
それを、機械自身に判断させることで不良品の生産を止め、従業員1人あたりで見ることのできる機械の台数を増やすことができました。
つまり、1人あたりの生産性が格段に向上することになります。
さらに、不良品と判断し、機械が止まることで問題を明確化することが可能になりました。
その問題を解決するために「5回のなぜ」を繰り返すことで、原因の根本解決を行うことにも成功。
自働化がもたらした効果は大きく、さらにジャスト・イン・タイムにもつながるものになります。
「ジャスト・イン・タイム」
ジャスト・イン・タイムとは、「必要なものを、必要な時に、必要な分だけ届く」という考えです。
定量を製造し、余れば在庫にする。
従来は、前工程の量に合わせて後工程がつくる。
トヨタ生産方式では、後工程で必要な物と必要な量を取りに行く。
というものに変わりました。
これは、スーパーマーケットからヒントを得たやり方です。
自働化も含まて、トヨタ生産方式では以下の7つのムダを排除することができます。
- つくりすぎのムダ
- 手待ちのムダ
- 運搬のムダ
- 加工そのもののムダ
- 在庫のムダ
- 動作のムダ
- 不良品をつくるムダ
このムダを省くことで、アメリカや欧州にも対等に向き合うことができるようになりました。
ジャスト・イン・タイムを実践するには仕組みが必要になってきます。
トヨタでは、
「作業の平準化」
「かんばん」
などの導入を行いました。
「かんばん」とは、作るロットの情報を記載したもので、納期や発注先などの情報がひと目で分かるものです。
このような仕組みを導入することで、ジャスト・イン・タイムを完成されることができます。
ダイスケ的まとめ
この本を読み、特に重要だと思ったことは、
ムダを発見し、どのように減らしていくか。
というところにあると思いました。
機械の調整作業に60分かかっていたものを、トレーニングで3分まで縮めるエピソードが書かれています。
僕は、ここに「人意的なムダ」が隠れているのではないかと思いました。
3分で行える作業が60分も使われていたのか?
ここに従業員の意識が現れていたのではないでしょうか?
それをトヨタ式生産方式を完成させるという、大きな目標が従業員の気持ちを変化させ57分もの時間短縮に繋がったのではないかと思います。
製造現場では、大きな変化を嫌います。
そんな嫌いな変化を起こすには、さらに大きな目標が必要になってくる。
その目標が大きく、さらに社会的な使命を帯びていれば、人々は動き、変革が進んでいく。
この本を読み、このようなことを感じました。
また、前回も製造についての本を紹介しました。
その舞台はアメリカですが、工程の前後調整や問題点の導き出しなど、トヨタ生産方式に似ている部分もあります。
そちらは、ストーリーテイストで読みやすいので、興味のある方、ない方もぜひご覧ください!
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それでは、次回もお楽しみ!