こんにちは、ダイスケです。
今回は、世界で1000万人以上に読まれている「ザ・ゴール」について要約して行きたいと思います。
製造業における仕組みづくりを物語調で分かりやすく説明している本です。
ですが、製造業以外の業種にも活かせるポイントが多く書かれていましたので、今回紹介していきたいと思います!
「本屋さんで見かけたけど、分厚すぎて気が引ける」という方にも読みやすいようにまとめましたので、ぜひご覧ください!
それでは、いってみましょう!
本の概要
この本は、ユニコ社ユニウェア部門のベアリントン工場という架空の工場が舞台となっています。
主人公はそこの所長を任せられているアレックス。
ある日、工場の売上不振が原因で工場の閉鎖および部門の売却が検討されていることを知らされます。
そんな危機的状況で残された猶予はわずか3ヶ月。
もはや神に頼むしかない状況で、以前、空港で会ったかつての恩師ジョナとの会話を思い出します。
「君は、自分の工場が効率的に動いていると思っている。その考えが間違っているんだ。」
ジョナのいう通り、ロボットを導入したことで書類上の効率は上がっていました。
ですが、実際は赤字を垂れ流す工場となっていました。
このことに気づかされたアレックスは、
製造のボブ、経理のルー、資材管理のステーシーの3名を加えて、工場の再建計画を着手します。
途中、ジョナのアドバイスをもらいながらも、ハラハラする展開で工場の再建模様が描かれています。
筆者のエリヤフ・ゴールドラットさんは物理学者でありながら、生産管理理論「TOC(Theory of Constraints:制約条件の理論)」を提唱した方です。
作中に登場するジョナは自身をモデルにしたのではないかと思われます。
この本は、TOCを活用しアレックスの工場を改善していく様子が描かれ、かつTOCの概念を分かりやすく説明した本です。
TOCとは
TOCとは、
「どんなシステムであれ、常に、ごく少数(たぶん一部)の要素または因子によって、そのパフォーマンスが制限されている」という仮定から出発される包括的な経営改善の哲学であり手法である。
「日本TOC協会」HPより
このTOCを提唱したのが筆者のエリヤフ・ゴールドラットさんであり、工場生産の現場だけでなく、家庭や個人といったものにまで応用する事ができる哲学です。
本書では、このTOCを活かして3つの指標を紹介しています。
- スループット
- 在庫
- 業務費用
この3つの指標について説明すると
スループット
販売を通じてお金を作り出す割合の事。
一般的には、単位時間あたりの処理能力を言う。
本書では、生産して販売するまでの一連の流れを総じてスループットとしている。
在庫
販売しようとする物を購入するまでに投資したすべてのお金の事。
売ることのできる投資もすべてが在庫となる。
業務費用
在庫をスループットに変えるために費やすお金の事。
減価償却の終えた機械や従業員の給与などが含まれる。
すべてのお金の流れは、この3つに分類することができ、どれか1つを改善しても売上が上がることがなく、改善はすべてに付随するものでなくてはいけない。
企業の目標(ゴール)は、この3つを使い「お金を儲けること」
この目標は入ってくるお金(スループット)、留まっているお金(在庫)、出ていくお金(業務費用)をうまく回すことで達成することができます。
ボトルネックを探す
やるべきことは3つの指標の改善を行うことです。
ですが、それだけでは改善できない部分があります。
それは、現場レベルで起きている問題で、すべての業務におけるボトルネックを見つけることが必要になっていきます。
ボトルネックとは、ワインボトルの細くなっている部分を言い、ビジネス上では業務を著しく低下させている業務を言います。
例えば、役所に住民票をもらいにいくとした時に、紙1枚に「なんでこんな時間がかかるんだろう」と思ったことはありませんか?
その時に行われている大まかな作業として、書類を書いて、職員が調べ、印刷をして、届けるという流れがあります。
この中で、職員が調べる能力が人によって左右されれば、早くなったり、遅くなったりと時間にばらつきが出てきます。
この作業が時間を1番かかっているのであれば、ボトルネックになります。
この改善方法として、例えば申請を紙ではなくネット申請にしてしまうといったものがあります。
企業でも、このようなボトルネックを見つけ出し、改善をすることでスループットを円滑にし、在庫を減らし、キャッシュフローを良くしてくれます。
つまり、時間や在庫を増やさないことで、企業に入ってくるお金が増え、さらに円滑な運営を行うことに繋がります。
このボトルネックを改善する方法として、ボトルネックの位置を変えるという方法があります。
ボトルネックを前工程にすることで、後工程への影響を少なくすることもできるようになり舞う。
ボトルネックは、難しいところに配置されていることが多いですが、意外と簡単に取り除くこともできるようになります。
本書でも、2つのボトルネックを見つけ改善するだけで売上を上げることに成功しました。
もちろん物語上のことではありますが、自動車メーカーのトヨタも工程を改善することで「ジャスト・イン・タイム」を実行することに成功しました。
なので、企業のボトルネックを見つけることと、そのボトルネックへの対策は業務改善への第一歩となっていきます。
ダイスケ的まとめ
この本で1番のポイントは、従業員を働かせるだけでは効率は上がらないというところです。
TOCでは、ボトルネックに注目し、その作業時間に応じてその他の作業時間を決定していました。
つまり、ボトルネックの作業効率よりも、他の作業の生産性が高いと在庫が増えてしまったり、資材が足りなくなります。
なので、ボトルネックの作業効率にあった生産性で回すことが、工場全体の生産性を上げることに繋がっていきます。
そこで、従業員の仕事で生産をしない時間を作ってみることで、トータルのスループットを改善することができます。
この考えは「トヨタ式生産法」の「ジャスト・イン・タイム」にも似ており、在庫を貯めずにそのまま販売することによって、全体の生産性を上げることに繋がります。
この本では、ジョナとのやり取りや管理者との悪戦苦闘する姿に共感を覚えます。
また、アレックスが息子のボーイスカウトに同行し、改善のヒントをひらめくシーンがあります。
そのシーンでは「従属事象」と「統計的変動」という、言葉だけでは難しい2つの関係について書かれています。
2つの関係を理解することで、工場内での従業員や機械の配置についても「どのようにすればいいか」がわかります。
この関係は、製造業だけではなく、多くの業種にも活かすことができる内容となっています。
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それでは、次回もお楽しみ!